ダンボールの主原料は原紙と糊、原紙の原料は古紙とパルプで、糊の原料はコーンスターチ(とうもろこし)になります。
原紙も糊も天然素材なので、ダンボールはリサイクルされない場合でも最後は土に還るものです。
ただしダンボールはほぼリサイクル可能なものであり、ダンボール原紙の原材料の90%以上が使用済みのダンボールなのです。
ゴミの分別と古紙回収・製紙・ダンボールの業界が一体となって資源の循環を支えているのが日本のリサイクルシステムです。
ダンボールは三ヶ月~一年で土に還る
ダンボールは天然素材なので土に還るものですが、実際どれぐらいの期間で土に還る?となると一枚板のダンボールが早くて3か月、天候や土の状態によると長くても1年程度とされています。
紙の繊維同士は水素結合していますが水につけるとバラバラになることから、ダンボールは水分を多く含む土に埋めるほうが早く土に還ることに繋がります。
ダンボールの構造
段ボールは、ライナーと呼ばれる紙と、段ボールの中芯の2つの素材を貼り合わせて作られています。
断面を見ると、三角形が連なったような構造で、トラス構造と呼ばれるもの。頂点にかかる力を分散させ、荷重に耐えることができる構造です。
波型のコアはライナーとの間に空間を作ることで優れたクッション性を発揮し、緩衝材としての役割も果たします。
ダンボールのリサイクルについて
使い終わったダンボールはそのほとんどがダンボール原紙の主原料として使用され、再びダンボールにリサイクルされています。
全国段ボール工業組合連合会によると、既存のリサイクル機構を活用しながらダンボールの回収率95%以上を維持(容器包装3R推進のための自主行動計画2025)
リサイクル用に納入された古紙は溶かされ、異物を除去し、もみほぐし行程を経て古紙パルプになります。
リサイクルの重要性
ダンボールは、木材のパルプを原料として作られています。そのため、未処理の段ボールを廃棄してしまうと多くの木材が無駄になってしまいます。
森林伐採の増加は環境問題に深刻な影響を及ぼす可能性があるためリサイクルは非常に重要です。
リサイクルされたダンボールは、再びパルプとして活用され、新しいダンボールや紙製品として生まれ変わります。このサイクルは、森林を保護し、自然環境を守るうえで有益です。さらに、リサイクルによってエネルギー消費や廃棄物の削減にも貢献します。
リサイクルの流れ
ダンボールのリサイクルは、一般的に以下の手順で行われます:
- 平たい形にする: 使用済みのダンボール箱をできるだけ平たくしておきます。また、テープやラベルを剥がして、純粋なダンボールの状態に戻します。
- 収集・分別: 住んでいる地域のリサイクルルールに従って、ダンボールを専用の収集箱に入れるか、指定されたリサイクルコンテナなどに捨てます。
- リサイクル工場への運搬: 地域のリサイクルセンターまたは工場などにダンボールが集められます。そこで再びパルプに戻すための処理が行われます。
- 再利用: パルプに変換されたダンボールは、新しいダンボールや紙製品として再利用されます。
個人の貢献
ダンボールのリサイクルは個人の取り組みから始まります。以下は、個人がダンボールのリサイクルにどのように貢献できるかのいくつかの方法です
- 分別に協力する: 住んでいる地域のリサイクルルールに従い、ダンボールを他のゴミと分別して捨てましょう。
- ダンボールを再利用する: 使い捨てではなく、段ボール箱を再利用する習慣を身につけましょう。引っ越しや荷物の梱包など、他の用途にも使えます。
- リサイクルを促進する: 家族や友人にもリサイクルの重要性を伝え、リサイクルを促進することが大切です。
まとめ
ダンボールのリサイクルは、環境保護に向けた重要な一手段です。森林保護やエネルギー節約に貢献するだけでなく、私たちの未来のためにも意義深い活動です。地域のリサイクルルールに従いつつ、個人の意識と努力でダンボールのリサイクルを推進していきましょう。
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